記事で紹介する飛空艇は2021年11月に老朽化により撤去されました。
「キャンプ場の中に飛行機があるの!?」という、冗談の様なキャンプ場が存在します。
今回、紹介するのは周防大島町にある「陸奥(むつ)キャンプ場」です。
陸奥キャンプ場は「なぎさパーク」という施設の中にあり、同施設内の「陸奥記念館」にて利用の手続きを行います。
陸奥キャンプ場は、全国を見渡しても、珍しい点が多いちょっと変わった有料キャンプ場です。
- 利用するエリアによって楽しみ方が変化
- 徒歩0秒で海水浴場へ到着
- キャンプサイトの一角を陣取る「PS-1型航空機」
- 同じ施設内に水族館と博物館
変わったところに目が行きがちですが、まずはキャンプ場本来の設備について解説。
後半にてこのキャンプ場の特色でもある飛空艇や水族館を紹介していきます。
エリアによって楽しみ方が変化するキャンプサイト
こちらのキャンプ場は、通路を挟んで4つの区画に分かれます。
- 約4×5mの区画サイト
- 木に囲まれたフリーサイト
- 炊事棟やトイレがフリーサイト
- 自由度の高い広々としたフリーサイト
4つの区画全てに共通して言える点は、車乗り入れ不可、全面芝生張りという点です。
家族での利用にぴったりサイズの区画サイト(約4×5m)
4人家族で利用するのに、ぴったりサイズの区画サイトが10区画あります。
「せっかく来たのに設営する場所が無い」という事にならない点が1番のメリットです。
とても広いと言える区画ではないので、大きめなツールームテントにプラスしてタープもといった使い方は出来ません。
波止からも近く、釣りとキャンプを楽しみたい人もこちらがオススメです。
このエリアに限り事前予約が可能なので、夏場の繁忙期には必ず予約して訪れましょう。
ハンモック好き必見!木に囲まれたフリーサイト
木に囲まれたフリーサイトで、少なく見ても12張りほどが同時にハンモックを設営する事が可能です。
更に夏場には、天然のタープとして直射日光を遮ってくれる点もに加え、根がありテントが張りにくいので、穴場のサイトでもあります。
また、このサイトは冒頭で触れた「PS-1 飛行艇」が展示されているエリアでもあります。
注意点として、「PS-1 飛行艇」の真下、直近への設営は出来ず、それを記載した表示看板も設置されています。
飛行艇を見ながらキャンプというこのキャンプ場でしか体験できない時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
炊事棟やトイレ棟が近い利便性の良いフリーサイト
陸奥キャンプ場では炊事棟やトイレ棟は全て1つのエリアにまとまっており、こちらの区画がそのエリアとなります。
炊事棟とトイレが近いというメリットを解説する必要がないほどに、利便性としては十分に利用価値があります。
木の量も先ほどの木の多いエリアより木の本数が少なく、ハンモックが設営できる場所は減りますが、その分テントを張れる数が多めです。
快適性・利便性を求めたい!という方には、こちらの区画をおすすめします。
大きなテントや大人数でのキャンプにおすすめ!自由度の高い広々フリーサイト
陸奥キャンプ場で、1番広いエリアがこの平地のフリーサイトです。
大きなテントやタープ、大人数でのグループキャンプをしたいのであれば必然的にこのエリアになるので、早めに到着するなどして場所の確保を第一優先にしましょう。
駐車場からの移動距離も近く、荷物の多くなりがちなグループキャンプならメリットばかりです。
木などの遮蔽物がほとんど無いので、設営における自由度は最も高く人気のエリアです。
全体的に古さを感じるものの清掃状況は申し分なし
こちらのキャンプ場で利用可能な施設は下記の通りです。
- 炊事棟1
- 水道8箇所
- かまど6箇所
- 灰捨て場2箇所
- 炊事棟2
- 水道3箇所
- かまど7箇所
- 灰捨て場2箇所
- トイレ棟(男性側のみ確認)
- 水道2箇所
- 小便器3、大便器2(和式1、洋式1)
- シャワー棟(利用可能期間 4月〜10月)
- コイン式シャワー室2箇所ずつ(男性、女性共に)
設備自体は全体的に古いため、外観に関しては可もなく不可なくといった印象です。
ですが、利用してみると清掃状況はとても良く、気持ちよく利用する事が出来ました。
人気のキャンプ場であり、夏場の利用者は特に多いので、炊事棟が2つある点はとてもありがたいです。
更に夏場に活躍するシャワー設備は、隣の海水浴場で遊んだ後に、さっぱりしてからキャンプをする事が出来ます。
「外とは言え出来るだけ快適に過ごしたい」という方にも満足してもらえる設備が揃っています。
徒歩0秒で海水浴場へ到着
陸奥キャンプ場の隣には陸奥海水浴場があります。
陸奥海水浴場には専用の駐車場は無いので、キャンプ場利用者が中心に利用する海水浴場となります。
したがって、夏場の海水浴シーズンにも人で溢れ返る事はなく、プライベートビーチの様に利用をすることが可能です。
キャンプをしつつ、海水浴も楽しむという、「夏の思い出にキャンプ」を存分に堪能出来ること間違い無しです。
野生の動物に注意
陸奥キャンプ場に最後に訪れた2021年2月は、残念ながら宿泊利用は不可となっていました。
理由は以下の通りです。
昨年10月よりキャンプ場内にたびたびイノシシが出没しており、お客様の安全を第一に考慮し現在宿泊を伴うキャンプを休止(予約受付を含みます)しております。キャンプを再開できる時期がきましたら、ホームページ又は電話にてお伝えさせていただきます。デイキャンプにつきましては、通常通りご利用できます。
皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力をお願いいたします。
陸奥キャンプ場の利用についてお知らせ – 周防大島なぎさパーク
イノシシが捕獲できれば、宿泊利用の運用も再開するそうですが、過去に野生の動物がいた事実に変わりはありません。
「寝る時に食料を出さない」などの対策をしておきましょう。
同じ施設内に水族館と博物館。そして飛空艇
陸奥キャンプ場のある「なぎさパーク」には、キャンプ場意外に「なぎさ水族館」と「陸奥記念館」、そして屋外展示として飛空艇があり、キャンプ以外の楽しみも用意されています。
なぎさ水族館と陸奥記念館は入館料がかかり、料金は以下の通り格安と言える利用料金です。
なぎさ水族館 | 陸奥記念館 | 共通券 | |
---|---|---|---|
大人 | 210円 | 430円 | 590円 |
子供 | 160円 | 230円 | 260円 |
キャンプサイトの一角を陣取る「PS-1型航空機」
陸奥キャンプ場は、海上自衛隊が実際に運用していたPS-1型航空機が展示されています。
飛行艇に興味が無い方も居るかと思いますが、そのインパクトは絶大です。
PX-S開発の目的は「波高3メートルの荒海で離着水可能であること」でした。1968年4月に紀伊水道沖の外洋で行った荒海離水試験は、海外からも注目を集めました。最大波高4メートルを示した4月23日の記録には、着水したPX-Sが沈没しつつあるように錯覚することさえあったと記されています。この試験で耐波性が極めて良いことが立証され、その後、試験飛行を重ね、1968年8月に海上自衛隊に引渡しを完了します。
1970年10月に同機は、海上自衛隊の制式機として承認され、「PS-1型航空機」とよばれることとなりました。
飛行艇開発ストーリー3 | 航空機事業 | 新明和工業株式会社
県内とは言わず、日本全国の中でも珍しいスポットなので、観光地として訪れてみるのも面白いと思います。
国内最大級のタッチングプールがある「なぎさ水族館」
水族館と言えば、ペンギンやイルカショーをイメージするでしょうが、なぎさ水族館ではショーなどを見ることは出来ません。
なぎさ水族館では、「地域密着型水族館」として地元の漁師の方が探してきた海の生き物たちが暮らしています。
水族館としての規模は小さく、1時間もかからない内に全ての水槽、展示物を見終わるほど小規模です。
そんな小さな水族館ながらも、最後のエリアに1番魅力的なスポットがあります。
それは、屋内展示としては国内最大級の「タッチングプール」がある事です。
実際にプールに入って、足や手で直に触れることが出来るので、家族サービスで訪れた際の思い出作りに一役買ってくれます。
約20cmほどの深さのプールには、ヒトデ、ナマコ、タコ、サメ等たくさんの海の生物がいます。
戦艦陸奥の遺品が眠る「陸奥記念館」
戦艦陸奥は「戦艦大和」「戦艦長門」に名前を連ねる日本が誇る、国民に愛された戦艦の一つです。
戦艦陸奥は爆発事故で沈没し、沈んだ場所がこの周防大島町です。
沈んだ艦隊陸奥は75%が回収され、館内に戦艦陸奥に関する遺品、資料等が展示されています。
お土産コーナーには陸奥記念館オリジナル商品だけでなく、周防大島の特産品も販売されています。
トータルで見るとリーズナブルな利用料金
最後に利用料金についてですが、陸奥キャンプ場では、利用料金にプラスして駐車料金を支払う必要があります。
(例)4人家族(大人2人、小学生1人、幼児1人)、普通車1台で1泊2日のキャンプ(宿泊)ご利用の場合
310円×3人×1泊分=930円 520円×1台×2日分=1040円 【合計】1970円
陸奥キャンプ場 – 周防大島なぎさパーク
筆者自身「若干計算が面倒」と思いましたが、宿泊利用であれば、駐車料金1040円にプラスして人が何人増えるかというイメージです。
施設の古さやキャンプ単体での価格だと考えると、格安の利用料金です!とは言えません。
ですが、その他の施設の入館料も含めて考えると、十分リーズナブルと言える価格と言えるのではないでしょうか。
筆者がこの陸奥キャンプ場を利用したのは、まだまだ初心者キャンパーの頃でした。
そんな初心者キャンパーの頃の記憶では、「利用料金が安くない割に、利用者の方が多く賑やかで、自分の様なソロには向いていないキャンプ場」という印象でした。
今回の紹介記事を書くにあたり、改めてこちらのキャンプ場を訪れてみると、そんな自分の過去の記憶が恥ずかしくなるほど、しっかりと整備されている素晴らしいキャンプ場でした。
整備が行き届いているからこそ、人気のキャンプ場であり、夏には大勢の人が訪れるのだなと実感しました。
周防大島には3つのキャンプ場があり、それぞれのキャンプ場に違った良さがあります。
是非、ご自身のキャンプスタイルに合ったキャンプ場を利用して下さい。
陸奥キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 区画サイト フリーサイト(乗り入れ不可) |
キャンプサイト | 平原キャンプ場 林間キャンプ場 海岸キャンプ場 |
予約 | 区画サイトのみ可 |
料金 | 有料 |
休日 | なし |
営業期間 | 通年営業 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | 温水 |
かまど | あり |
ハンモック | 可 |
ペット | 可 |
アクセス
住所 | 山口県大島郡周防大島町伊保田2211-3 |
電話番号 | 0820-75-0042(陸奥記念館) |