山口県に〇〇村と名前のつくキャンプ場は複数あるのですが、「ここって本当に村なの?」という疑問は常にありました。
「どうせ今回も普通のキャンプ場なのだろう」
そんな心境で訪れた岩国市のやかさキャンプ村ですが、いい意味で予想を裏切られました。
端から端まで車移動が必須なほどに広い、「村」という名前に偽りのないキャンプ場だったのです。
やさかキャンプ村は山口県と広島県の県境に位置しており、下記の3つのキャンプ場を運営しています。
- 弥栄キャンプ場
- 川真珠貝広場
- 弥栄オートキャンプ場
サイトの特徴はそれぞれ異なりますが、共通点としてキャンプ場は弥栄ダムの上流に位置する、小瀬川に隣接しています。
全てのキャンプ場から徒歩で小瀬川に行く事ができるので、キャンプ&川遊びという利用方法が一般的な楽しみ方となります。
全体的なサイト設計は主に家族向けで、しっかりと整備されているので、静かに過ごしたい方や、自然をダイレクトに感じたいキャンパーには不向きです。
10月初旬というシーズンとは外れた時期に当キャンプ場を利用しましたが、全体で約15組が利用する中でほぼ全てが家族利用でした。
弥栄キャンプ場
小瀬川が隣接している事が特徴のやさかキャンプ村ですが、小瀬川に最も遠いサイトが弥栄キャンプ場です。
大きな管理棟があり、地元の野菜やキャンプ用の消耗品、薪なども販売。
インスタント食品、アルコール飲料、ガス缶などしっかりと揃っており、「忘れたとしてもここで買えばなんとかなる」という安心感を得られます。
更に、米1合の量り売りもしており、「キャンプをする人間の気持ちを分かっているっ…!」と衝撃を覚えました。
サイトによる当たり外れが大き過ぎる
便利な管理棟がメリットとしてあるものの、9区画のオートサイトは広さがバラバラ。
狭いサイトは駐車スペース込みで約3m×3mしか無く、「ここに車を停めてテントを張るなんて現実的ではないのでは?」という区画も存在します。
傾斜が酷い区画もあり、アウトドア向けの軽乗用車ですらタイヤが空回りして出庫に難航してる場面も見られました。
そんな中で実際に使えそうな区画は2番、5番サイトで、それぞれ約12m×12mほどの広さがあり、傾斜もほとんどありません。
予約時に区画指定が可能です。利用するなら2番、5番サイトの2択。2番、5番サイトが使えないなら別のキャンプ場の検討を。
日帰り専用サイトやケビンという選択肢も
弥栄キャンプ場側の河川敷には日帰り専用サイトもあり、BBQやお子さんとの水遊び目的として利用を検討しても良いでしょう。
前述したオートサイトと違い、日帰りサイトは約5m×6mの広さに綺麗に区画分けされています。
他にもオートサイトの奥にケビンがありますが、こちらの利用はおすすめしません。
公式HPには「別荘感覚」という言葉で紹介されていますが、外観だけ見てもそんな雰囲気ではなく「老朽化した平家」という印象でした。
川真珠貝広場
弥栄キャンプ場の川向かいにある川真珠貝広場は、地理的には広島県(大竹市)に位置しています。
ちなみに広島県では昔、小瀬川を木野川(このがわ)と呼んでいたそうで、全国的に川に二つの名前が付いていた事はレアなんだとか。
県が変わっても利用者側への影響はありませんが、話のネタとして覚えておくと良いかもしれません。
こちらの管理棟は受付を行うプレハブ小屋のみで、商品販売や自動販売機などは無し。
足りないものは徒歩圏内の弥栄キャンプ場へ買い出しに行くことも可能ですが、周囲にコンビニやスーパーは無いため、事前準備はしっかりと行いましょう。
広大な敷地面積を活かしたキャンプサイト
川真珠貝広場の大きな特徴は「敷地面積が広い」の一言に尽きます。
敷地の広さを活かしたサイト設計がされており、6人用の大型テント+大型タープでも余裕で入るほどの広さが各区画に割り当てられています。
区画毎の仕切りが曖昧なので最初は戸惑いましたが、区画そのものが広いため意識せずとも隣のサイトと干渉することはありません。
サイトに関しても草地と芝が混在しており、小さな子供が転んだとしても痛みはほとんど無いでしょう。
川真珠貝広場の面している小瀬川の川辺は足元が砂地で、遊びやすい点も好感触。
車横付け不可なことが唯一のデメリットか
他2箇所のキャンプ場と違い、唯一の車横付け不可の区画サイトとなります。
一般的なスタイルではありますが、他2箇所のキャンプ場が横付け可能と考えると少なからず不満に感じてしまう人もいると思うのでこの点は理解して利用しましょう。
弥栄オートキャンプ場
弥栄オートキャンプ場には管理棟はなく、自立式タープの下で受付する形。
筆者がこのキャンプ場を訪れたとき、受付の方は釣りをしていました。
受付の方以外にも複数人が釣りを楽しんでおり、小瀬川全体が有名な釣りスポットのようです。
小瀬川は漁協によって管理されています。釣りをする場合は遊漁券の購入が必要です。
利便性が高いオートサイト
小瀬川に沿うようにサイトが並んでおり、全19区画。
車の横付けが可能なオートサイトで、約8×12mほどの横長設計です。
サイトに車やテントの数に制限はないため、グループ利用でお得に使えます。
3つのキャンプ場の中で最も上流に位置しており、川の水位は低めですが、受付付近の川は足元が岩や石ばかりなので水遊びの際は対策必須です。
川遊びを目的としている場合は弥栄オートキャンプの中でも上流側のサイトの方が石が少なく遊びやすいと思います。
川遊びシーズンは小学生くらいのお子さんがいる家族がおすすめですが、川遊びのシーズンから外れると川のせせらぎが心地良い大人向けのキャンプ場に様変わりします。
近隣住民の散歩コース
弥栄オートキャンプ場の周囲には、別荘や民家が数多くあります。
1泊2日の利用中、音や光は気になりませんでしたが、キャンプ場の施設内を散歩している方を数多く見かけました。
区画内に入るような非常識な方はいませんでしたが、少し気になったので触れておきます。
利用料金・施設レベルはほとんど同じ
3つのキャンプ場に共通する事として、利用料金はデイ1000円、宿泊2000円です。
川真珠広場の利用料金は500円ですが、別途駐車場代が1台500円ほど掛かるため、トータルは同じ料金になります。
使える施設は炊事場・トイレ・灰捨て場でゴミの回収などは行なっていません。
全体的に老朽化が進みつつありましたが、清掃が行き届いており、不満に感じることはありませんでした。
純粋に興味関心・用途に合ったキャンプ場を選択しましょう。
チェックイン・チェックアウト時間が過酷
宿泊利用の場合、16時チェックイン〜翌日9時チェックアウトとなります。
「チェックイン遅過ぎ、チェックアウト早過ぎ」というのが正直な感想です。
複数人での利用の場合、準備・後片付けに時間が掛かるので、宿泊の場合はデイユース利用を追加する前提で考えることをおすすめします。
細かい点まで紹介したので、窮屈な印象があるかもしれませんが、管理方法は全体的に大らかなキャンプ場です。
筆者も予約時間よりも早めにチェックインさせてくれたり、利用前にサイトを確認させてもらったりと恩恵を受けましたが、悪く言えば杜撰(ずさん)な管理と言える場面もありました。
どういった状況に遭遇したのか明言は避けますが、マナーの悪いグループに遭遇し、あまり気持ちの良い状況ではありませんでした。
きちんと見回りをしてくれていれば防げた事なのですが、キャンプ場の大らかさ故に起きた問題点として記載しておきます。
スタッフに伝えればすぐに対応してもらえたので、困ったことがあれば、すぐにスタッフの方へ相談を。
長文にも関わらず、最後まで読んでくれた皆さんが楽しいキャンプを過ごせるよう、祈っています。
やさかキャンプ村データ
キャンプ場タイプ | 平原キャンプ場 |
キャンプサイト | オートサイト 区画サイト |
予約 | 要予約 |
料金 | 有料 |
休日 | 火曜日 |
営業期間 | 通年 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | 温水シャワー |
かまど | あり |
ハンモック | 不可 |
ペット | 可 |
アクセス
住所 | 山口県岩国市美和町釜ヶ原 |
電話番号 | 0827-95-1123(株式会社やさか キャンプ場受付) |