山陽小野田市の憩いの場として多くの人が利用する江汐公園。
通年通して人気の公園となっていますが、桜の咲く春と、紅葉の秋は特に多くの人で賑わいます。
そんな江汐公園の一角にキャンプ場があるのをご存知でしょうか?
有料のキャンプサイトは湖畔に隣接し、サイトも綺麗なのですが、どちらかと言えばマイナーなキャンプ場です。
このマイナーである大きな理由は荷物の運搬が面倒な点にあると筆者は思っています。
この記事では江汐公園キャンプ場の荷物の運搬についての解説や、キャンプサイトの紹介をしていきたいと思います。
最大の課題である荷物の搬入
まず初めに冒頭で書いた荷物の運搬について解説します。
江汐公園はキャンプ以外の利用者も多い事もあり、通常は園内への車の乗り入れはできません。
ですが、キャンプサイトへの荷物の運搬の際は、公園内への車の乗り入れが可能で、手続きの際に車の入場許可証が渡されます。
第一の難関:バリケード
入場許可証を受け取ったら、車に乗って駐車場からキャンプサイトへ向かいます。
駐車場から園内の境目には入場禁止のバリケードがあるので、これを外してキャンプサイトへ向かわなければいけません。
バリケードを外すために一度車を降りてバリケードを移動。
通過すれば車を降りてバリケードを元の位置に戻さなければいけません。
バリケードは2か所にあるので、これをもう一度繰り返します。
第二の難関:人通りの多い公園
紹介した通り、江汐公園は人気の公園です。
1年を通しても土日にキャンプサイトに行くまでに誰ともすれ違わないという事はまず無いでしょう。
公園を歩く人に注意を払いながら慎重に車を運転してキャンプサイトへ向かいます。
トータルの移動距離は700メートル近くあります。
車の移動で700メートルというと、そう大した距離には思えませんが、人通りの多さや、道幅が狭い橋などもあり最徐行しての運転です。
思った以上に時間がかかり、一般車両が園内を走行している事もあって、周囲の目も突き刺さります。
キャンプサイトへ着いたら荷下ろしをして、第二の難関と第一の難関をもう一度通り抜けて駐車場へ戻ります。
第三の難関:徒歩でキャンプサイトへ
駐車場へ戻ったら入場許可証を管理棟スタッフへ返却します。
あとはキャンプサイトへ行くだけです。
先ほど紹介した700メートルを徒歩で。
周囲の目も課題の一つかも
江汐公園は、ウオーキングや犬の散歩のコースとして利用者も多く、キャンプサイトの周辺も遊歩道となっています。
平日は我慢できますが、土日となると昼間は人の目がかなり多いので、静かに過ごすのは難しいかもしれません。
数は少ないですが遊歩道から離れたサイトを利用するのがオススメ。
犬の散歩をする人がいるくらいなので、キャンプサイトへのペットの連れ込みもおそらくOKだと思います。
ただ公式的な情報ではないので、ペットを連れて行く場合は確認をお願いします。
大小様々なサイズのサイトが15区画
キャンプサイトは区画サイトとなっており、全部で15区画あります。
傾斜を整備して作られたサイトは、区画内は平坦ですが区画外が斜面になっており、区切りはありませんが利用できる範囲は明確になています。
全てのサイトが江汐公園の湖(江汐湖)を向いてはいますが、木が視界を遮り湖を眺めながらキャンプができないのはやや残念です。
区画の形状も自然の形を残しているようで、円形の区画からバナナのようにカーブした珍しい区画まで様々です。
区画は大きく3つのエリアに分けられており、以下ではこれらについて紹介します。
1番エリア(既設)
1番エリアは江汐公園キャンプ場の中で最も高い位置にあります。
区画は1つのみとなっており、同じエリアで他人と干渉する事が絶対にありません。
独立しているぶん、プライベート空間や野営感を味わえる反面、トイレやかまどへの距離はやや遠めです。
荷物の運搬のデメリットは紹介したばかりですが、これに加えて1番サイトは舗装路からの距離も遠く、階段もあるので、3つのエリアの中で搬入が最も大変です。
2番エリア(既設)
区画のサイズが大小まばらではありますが、全体的に家族やグループ向きの区画がこの2番エリアです。
かまどや炊事棟、既設側トイレへの距離も近く、利便性も良好。
大きな区画では家族のテントにタープを設営してもまだまだ余裕があり、テントのすぐそばでお子さんを遊ばせる事も可能です。
ソロでも使える小さめの区画もありますが、近くで家族が利用する可能性を考えると、避けるべきポイントかもしれません。
広い区画は大型幕を4つくらい設営できる広さがあります。
3番エリア(新設)
新設のエリアである3番エリアは全部で7区画あります。
新設のトイレも近く、2番サイトに近い利便性の良さがありますが、大きな違いは区画のサイズ感です。
7区画全てが小さめの区画となっており、ソロキャンプやソログルに丁度いい広さとなっています。
複数の区画を借りてソログルをしているグループも見かけるので、家族でテントスペースとタープスペースなど複数借りるという選択肢もあります。
新設のトイレは身障者向けのトイレもあるので、「子供が小さく身障者向けのトイレを使いたい」という場合は、複数の区画を借りて家族で宿泊するのも良いかもしれません。
清掃状況は良好だが、キャンプ関連は難あり
江汐公園はサイトの清掃状況も良く、気持ちよくキャンプの時間を過ごす事ができます。
人気の公園だけあり、日中は清掃のパトロール車も巡回しているほどです。
この清掃状況でありながら、キャンプサイトでは薪の入手も可能です。
清掃状況の良いキャンプ場は落ち葉や枝まで綺麗に清掃され、別途用意する必要がある事がほとんどです。
ですが江汐公園キャンプ場では、剪定した枝が数カ所にまとめて置いてあり、自由に使う事ができます。
薪以外に、焚き付けに使える松ぼっくりやスギの葉も落ちており、ライターと焚火台さえあれば現地の薪や落ち葉で焚き火を楽しむ事ができます。
使いやすい枝(薪)は焚き火サークルの近くに置いてあります。
トイレの清掃状況も良好
サイトの紹介でも少し触れましたが、江汐公園キャンプ場のトイレは2番エリアと3番エリアの側にそれぞれあります。
設備としては双方共に水洗の小便器が3つと、和式と洋式の大便器が1つずつ。
新設のトイレは3番エリアの増設に伴なって作られたようで、比較的新しく身障者向けのトイレも設備されています。
2番エリアのトイレはやや暗く、昔ながらのトイレといった感じですが、嫌な匂いなど無くこちらも利用していて不快に思う事はありません。
トイレはキャンプサイト専用というわけではなく、公園の利用者全体で使うので、それも綺麗な要因の一つかもしれません。
炊事棟の管理状況はムラあり
トイレと同様に炊事棟も2番エリアと3番エリアの側にそれぞれ設備されています。
何度かキャンプ場を利用した事がありますが、タイミングによってシンク内にゴミが溜まっており、「食器を綺麗にする」という環境ではない事もありました。
炊事棟内に灰捨て場もありますが、灰が山盛りになっており、しばらく掃除をした形跡はありませんでした。
炊事棟内にもかまどはありますが、これとは別に2番サイト周辺に溝で作った簡易のかまどと、3番サイト付近の東屋付近にもかまどが点在しています。
電源はあるが、サイトから距離が遠すぎる
江汐公園キャンプ場では電源の利用も可能です。
電源はサイトの付近に1つずつあるのが一般的ですが、江汐公園キャンプ場では電源ボックスが炊事棟に据え付けられています。
炊事棟から遠い1番エリアは現実的に利用不可能な距離であり、2番エリアと3番エリアも一般家庭で使う延長コードでは届きません。
コードリールが必要なレベルなので、電源を使いたい場合は準備をお忘れなく。
イノシシ注意の看板あり
キャンプサイト入り口付近にはイノシシ注意の看板が設置されています。
サイトにはイノシシが掘り起こした痕跡も確認できたので、実際にイノシシがいるのでしょう。
人通りの多い昼間は問題ないかと思いますが、宿泊の際は生ゴミや食料を外に出さないように注意が必要です。
有名な公園なので、ここはキッチリ対策してほしいところ。
周辺には遊具など無し
江汐公園には子供が遊べる遊具「冒険の森」や、鯉の餌やりスポットである「冒険の橋」があり、子供の遊び場としても人気があります。
ただ残念な事にキャンプサイトから冒険の森や冒険の橋への距離はかなり遠く、手軽に行ける場所にはありません。
むしろキャンプ場周辺には何もないので、キャンプに専念するか、遊ぶ道具を持って行きましょう。
最寄りのお店はスーパー
キャンプの買い出しには地元の食材をオススメする事が多いのですが、江汐公園の周辺には道の駅等のお店はありません。
一番近いお店はスーパーマーケットのマックスバリュで、車で6分くらいです。
説明するまでもない大型のスーパーなので、詳細は省略します。品揃えも至って普通です。
ちなみにマックスバリュの隣には、ホームセンターのコーナンがあります。
コーナンには炭やペグ等のキャンプの道具も少し販売されているので、買い出しのついでにキャンプ用品を購入できるのは棚からぼた餅です。
利用するなら宿泊でどうぞ
江汐公園キャンプ場の料金は人数制となっており、一人あたり310円とかなり安い利用料金です。
また大きい区画を使っても料金は変わらないので、これもまた嬉しいポイントです。
デイキャンプも低価格で過ごす事はできますが、荷物の搬入の手間が仇となり、キャンプ以外の時間が増え、良い気分転換にはならないかもしれません。
宿泊でのキャンプなら時間もたっぷりありますし、何より昼は賑わいを見せていた公園が、夜になって見せる静寂は言葉にできないものがあります。
大小様々なサイトも家族、グループからソロまで幅広く利用できる上で欠かす事のできないポイントです。
サイトのサイズについては当日現地で確認する事もできますが、公式ホームページで画像をクリックする事でサイトの広さとテントが何張りできるか等の情報が表示されます。
予め確認すればスムーズに利用する事ができるので一度覗いてみてください。
冒頭でも書きましたが、マイナーなキャンプ場の一つで、利用者で埋まりやすい連休中にも「予約は入っていません」という事もあるくらいです。
静かなキャンプ場ではありませんが、遊歩道から離れた区画もありますし、広い区画を借りて遊歩道から離れた位置に設営するといった手段もあります。
荷物の運搬はネックですが、「ハイシーズンでどこのキャンプ場も空いてない」という時に連絡してみると、良い返事が貰える事もあると思います。
名目としてはキャンプ場ですが、筆者の利用時にはテントは張らずバーベキューセットを広げてパーティーを開いている方も見かけました。
キャンプに限らず、「広場を独占して集まりたい」といった場合にもチェックしてみると良いかもしれません。
江汐公園キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 平原キャンプ場 |
キャンプサイト | 区画サイト |
予約 | 要予約 |
料金 | 有料 |
休日 | なし(年末年始) |
営業期間 | 通年営業 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | なし |
かまど | あり |
ハンモック | 不可 |
ペット | 表記なし |
アクセス
住所 | 山口県山陽小野田市高畑 字西山根401-1 |
電話番号 | 0836-83-5378(江汐公園管理棟) |