岩国の景勝地、寂地峡。
ここから少し車を走らせると見えてくる案内標識が、今回紹介する「らかん高原オートキャンプ場」です。
案内標識に従って道を曲がり、急な上り坂に。高原と名前のつくキャンプ場だけあり、上り坂は想定の範囲内。
思いのほか、道幅が広く、ヒルクライムのような気分でドライブを楽しんでいました。
山間から見える景色を横目に、次第に標高が高くなっている事を確認すると、楽しさも倍増。
「バカは高いところが好き」と言いますが、筆者もこの類です。
そんな楽しい時間も束の間。
途中から道は車同士のすれ違いが困難なほどの狭さになり、太陽の光は木に遮られ、次第に不安が募ってきました。
「あとどれくらい…?」そんな事を思っていると、開けた場所に出ました。
最初に目に飛び込んできたのは、かわいいウサギちゃんと「らかん」を形取ったススキのアート。
そこから少し進むと、今回宿泊するらかん高原オートキャンプ場が見えてきました。
ルールが細かく、窮屈さを感じざるを得ない
キャンプサイトのゲートには「予約者以外立ち入り禁止」と大きな表記があり、第一印象としては「厳重」なイメージ。
管理棟の駐車場に車を停めると、スタッフの方が筆者に気づいたようで、
「まずはこれを読んで」と3枚に渡って書かれた利用案内と、自分の住所や規約を守る誓約書のような紙を渡されました。
利用案内に書かれている事は
- 他のサイトに立ち入らない
- 直火は禁止
- 21時は消灯時刻
- ドローンは禁止
など、基本的で一般的な事。
ただ、あまりに事細かく書かれており、利用案内を確認している段階でかなりナーバスな気持ちにさせられました。
ドローン禁止の表記から、かなりの頻度で更新されている模様。
コロナ渦の影響か、利用案内の全体を通して、「余計な事をしないように」という事が随所から伝わり、「過去にどんなトラブルがあったのだろう」と想像してしまうほど。
当ホームページではキャンプ場を紹介していることもあり、普段はキャンプ場内の散策もするのですが、この日ほどに大人しくキャンプをしたのは初めてです。
つまり、この記事は当ホームページきっての情報量不足であり、完成度の低い記事でもあります。
焚き火のルールが特に細かい
受付けをするために管理棟へ向かうと、焼け焦げたコンパネを多数発見。
らかん高原オートキャンプ場で焚き火をする際には、基本的にスパッタシートとコンパネ(コンクリートパネル)を敷くルールになっており、この焼け焦げたコンパネは焚き火の熱による物です。
スパッタシートは所持している人も多いと思いますが、コンパネは一般家庭にある代物ではありません。
焚き火を楽しみたい場合は、スパッターシートは各自準備。コンパネは自分で準備する他にキャンプ場で300円でレンタルも可能です。
しかし、レンタルしたコンパネが使用不可となった場合は追加料金が掛かります。
例外として地面から25cm以上の高さがある焚き火台は、受付で確認を取った上で、コンパネとスパッタシートの使用が免除されます。
なぜこのようなルールが決まっているのかというと、理由は単純明快で焚き火台を使用していても、焚き火台と地面の距離や、焚き火台の造りによって地面にダメージを与える事があるからです。
特にピコグリル型の焚き火台に手を焼いているようで、灰や炭が地面に落ちたり、熱で草地が焦げたりするため、このようなルールになったようです。
焚き火を使用しない夏なら快適かも
焚き火の需要が減る夏の利用なら、焚き火の窮屈さは簡単に回避できます。
加えて、高原であるらかん高原オートキャンプ場は標高が高いため、避暑地としても有名です。
夏の利用なら、焚き火の回避と、避暑地での快適なキャンプとで、一石二鳥で楽しめると思います。
オートサイトがメインのキャンプ場
らかん高原オートキャンプ場は名前の通り、オートサイトをメインに運営しており、全部で約50区画。
電源付きと電源無しが選べるようになっていますが、実際は「使う」「使わない」の選択であり、サイトが分かれているわけではありません。
キャンプ場情報予約サイト なっぷの情報によると、1区画の広さは80m2。
家族で利用するにも十分な広さがあり、使い勝手の良いフラットな草地のキャンプサイトとなっています。
草地のサイトは高原のキャンプ場と見事にマッチしており、焚き火によってサイトを傷付けたくないスタッフの気持ちも納得。
サイトに焦げている場所やかまどの痕跡が残っていれば、マイナスポイントとして紹介していましたが、そのような場所は(パッと見ですが)見あたりませんでした。
炊事場やサニタリー棟については、有料キャンプ場だけあり、価格に見合った清潔感です。
サニタリー棟は屋内型となっており、枯葉や虫が入ってくる事も最小限。
照明もスイッチ式となっているため、小まめに消灯していれば夏に虫が寄ってくる事も無さそうです。
Free Wi-Fiもあります。
5番サイトが景観良し
筆者が利用したサイトは5番サイト。
スタッフの話によると、5番、6番、7番サイトが人気だそうで、平日利用で空きがあった事もあり、特に人気の5番サイトを利用させていただきました。
人気のポイントはおそらく、目の前が開けており、景色が良い事。
夜は星空。朝は太陽の光が向かいの山を照らします。
利便性が悪い深谷峡温泉 清流の郷
らかん高原オートキャンプ場は、姉妹施設として深谷峡温泉という温泉施設も運営しています。
キャンプ場の麓(ふもと)にあるので、キャンプ場の利用前からマークしていました。
テントの設営が終わり、温泉の情報を詳しく見てみると、温泉の最終受付けは17時。
「往復の労力(道の悪さ)を考えると、帰りに寄って朝風呂が良いかな」
そんな事を考えながら、温泉の開店時刻を見てみると開店時刻は11時。これに対してキャンプ場のチェックアウトは12時です。
針の穴を通すような隙間時間であったため、温泉の利用は断念しました。
予約は「なっぷ」にて
キャンプ場の予約は電話ではなく、予約サイトである「なっぷ」から行います。
紹介した電源付きと電源無しで料金が異なる他、特別割引プランとして、指定日限定のお得なプランも用意されていました。
なっぷの欠点として、サイトの指定はできないため、希望のサイトに入れるかは、当日の状況次第といったところ。
最後になりますが、利用案内は頻繁に更新されているようなので、最新情報は公式ホームページのチェックにてお願いします。
あまりのルールの厳しさから、高原の開放感に相反して、終始窮屈なキャンプでした。
スタッフの対応も悪くはありませんでしたが、「マナーの悪い利用者にウンザリ」といった印象が強かったです。
しかし非難されるべきはキャンプ場ではなく、これまでに利用者がキャンプ場に与えてきた迷惑の数々です。
最初からこのような厳重なルールが決まっていたワケがありません。
言うなら、このらかん高原オートキャンプ場をこのような居心地の悪いキャンプ場にしてしまった原因はキャンプ場の利用者にあります。
今後、このらかん高原オートキャンプ場のようなキャンプ場が増えない事を祈るばかりです。
らかん高原オートキャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 平原キャンプ場 |
キャンプサイト | オートサイト |
予約 | 要予約 |
料金 | 有料 |
休日 | なし |
営業期間 | 4~11月 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | 温水シャワー |
かまど | あり |
ハンモック | 不可 |
ペット | 表記なし |
アクセス
住所 | 山口県岩国市錦町大原羅漢699-5 |
電話番号 | 0827-74-0010(有限会社らかん高原) |