山口県でキャンプに慣れた人なら、「小鳥の森キャンプ場」を知らない人は少ないでしょう。
令和元年に開設されたキャンプ場にも関わらず、飛ぶ鳥を落とす勢いで知名度を上げているキャンプ場です。
今回紹介するのは、まさにその小鳥の森キャンプ場。
2021年10月現在の利用料金は大人1人1400円。
大人 | 中高生 | 小学生 | チェックイン | チェックアウト | |
---|---|---|---|---|---|
宿泊 | 1400円 | 500円 | 300円 | 13:00 | 11:00 |
デイキャンプ | 700円 | 500円 | 300円 | 10:00 | 16:00 |
決して安いとは言えない料金ですが、安さよりも前評判の良さから期待の方が圧倒的に上回っています。
それでは実際に足を運んだレポートを紹介したいと思います。
県道から小道に入ると道が悪くなる
キャンプ場へ向かうため、県道24号線を走ると、「小鳥の森キャンプ場」という小さな看板が見えるので、そこが入口です。
ここから大きく道幅が狭くなり、普通車1台がギリギリ通れる道幅となります。
この小道を約700メートル走ると、舗装されていない砂利の坂道が約200メートル。
砂利道は多くの車が行き来している分、道がかなりえぐられており、良い言い方をするならアトラクションのように車が飛び跳ねます。
ハイエースやエルグランド等の車高の低い大型車での走行は痛い目を見るかもしれません。
キャンプ中にランドクルーザーの姿を見たので、これくらいのサイズ感でも入れるようです。
管理人ひとりでキャンプ場を切り盛り
現地で友人と合流し、「道ヤバかったな」という話をしていると、
「今日の宿泊は君たちだけだから、ちょっとくらい大きな声で楽しんでも大丈夫だよ」
そう声をかけてくれたのが、小鳥の森キャンプ場の管理人である長沼さん。
見るからに”優しいおじいちゃん”といった印象で、この小鳥の森キャンプ場は長沼さん一人で切り盛りしているそうです。
キャンプ場の管理以外にも、後で詳しく紹介しますが、キャンプ場の設備も長沼さんお手製のもの。
サイトの見回りにも余念がなく、ニコニコの笑顔で「いかがですか?」「珍しい焚き火台使ってるね」と何度も声をかけてくれたとても気さくな方でした。
旧い棚田を活かしたキャンプサイト
さて、本題のキャンプサイトの紹介に移りましょう。
公式ホームページで紹介されている通り、キャンプサイトは棚田を整備されて作られており、日当たりは良好。
芝のサイトで、脚心地の良いオートサイトとなっています。
小鳥の森キャンプ場独自のルールとして、芝を傷めないために、以下の2つの決まりがあるので、この点には注意しておきましょう。
- あまり車を切り返さない
- 焚き火台の下に用意された板と鉄板を敷く
少し下段に降りると砂地で木のあるサイトがあります。
木が植えられているので、タープが無くても直射日光を避ける事ができ、ハンモックが設営可能な場所も6か所程度確認できました。
注意して欲しい点として、土日は混雑する事がほとんどで、混雑時のサイトの設営場所は管理人である長沼さんが決めています。
当日の利用人数や家族構成を見て設営場所を練っているそうで、普通のキャンプ場ではここまで考えてくれません。
平日は自由の利くフリーサイトのよう
筆者の利用は平日だったため、混雑時の空気は分かりませんが、平日ののどかな雰囲気は独特とも言えるもの。
40~50代くらいの女性がハンモックを広げてデイキャンプをしたり、前日の利用客がチェックアウトの時間を過ぎた14時頃にまだいたり。
これも全て当日の利用者を全て把握している長沼さんの技量の賜物と言えるでしょう。
筆者たちも当日の予約が他にいないので「好きな場所でいいよ」と言われたものの、オススメされた木陰のあるサイトに設営しました。
夜間は野生の動物の侵入を防ぐため閉門
時間に前後はありますが、管理人の長沼さんは7時頃に帰宅し、その際にサイトの門を閉じます。
門というより簡易の柵に近く、防犯用ではなく野生動物の侵入を防ぐためのものです。
人が行き来するための小さな扉があり、外部からは扉を引かないと入れないので、結果的にヒトしか利用できない画期的な仕組みとなっています。
またこの扉はゴムのテンションで自動で閉じる半自動式の扉になっており、閉め忘れが起きないほか、風で開く事もありません。
夜は静寂と星空を楽しむ
棚田を利用したメリットのもう1つが日当たりが良いぶん、星空もよく見えます。
サイトの側には小川が流れており、小川のせせらぎをBGMに楽しむ星空は、そう味わう事のできない贅沢です。
管理棟のある頂上には椅子とテーブルが置かれているので、空いていればお酒を片手に是非利用しみてください。
管理人お手製の設備
サイト内には管理人である長沼さん お手製の設備が複数設置されています。
しっかりとした作りのテーブルや椅子に加えて、ピザ窯や燻製窯まであり、かなり手慣れているようでした。
子供の遊べる遊具
手作りの設備としてもう一つ紹介したいのが、子供向けの遊具。
砂場、ブランコ、ジャングルジムがあり、どれも太い丸太を使っているので頑丈そうな作りです。
遊具というと鉄パイプが一般的ですが、小鳥の森キャンプ場の「木」の温もりを感じる事のできる遊具は、子供と利用するなら一度は触れてみてほしいです。
水回りは最小限
トイレは和式の汲み取り式便所(いわゆるボットン便所)が1つのみ。
汲み取り式というと不衛生なイメージが強いですが、筆者がこれまでに見た汲み取り式のトイレの中では最も綺麗でした。
トイレはキャンプ場の最も山側の遊具の更に奥の建物にあり、入口が少し分かりにくいので、チェックインの際に確認しておきましょう。
水道はこのトイレの近くに1つと、キャンプサイトの中腹に1つ。
サイトによってはアクセスが悪いので、土日利用の場合はウォータータンクがあった方が安心です。
ちなみに水は川の上流からホースで引っ張ってきており、常時流れっぱなしで、飲用はできないので、別途飲用水の準備も必要です。
まだまだ混雑する可能性あり
人気のキャンプ場だという事は当初から知っていましたが、長沼さんの話によるとテレビ取材もあるそうで、今後はますますの混雑も考えられます。
毎週利用するヘビーなファンもいるそうなので、休日に利用する場合は早めの予約を心がけましょう。
筆者としては、混雑していない優雅な時間を体験できる平日の利用をオススメしたいです。
やはり利用者が多いと林間サイト特有の風の流れや、川の水の流れる音を楽しむのは難しいでしょう。
小鳥の森キャンプ場の自然を満喫するためにも、可能なら是非平日に利用して贅沢な時間を楽しんで欲しいです。
最後に、キャンプ場の認知度が上がるにつれて、マナーの悪い利用客も増えてきたそうなので、節度のある利用を心がけてもらえればと思います。
「これだけ愛情を持ってキャンプ場を運営すれば、それは結果が付いてくるだろう」という印象で、血の滲むような努力や創意工夫もあった事が容易に想像ができるキャンプ場でした。
キャンプ場の制作では職人のような作業をしている長沼さんですが、接客においては“仕事でやっている感“が無く程よくフランクで、キャンプ場の魅力のひとつのように思いました。
また、大体的には書きませんが、キャンプ中には長沼さんからサプライズプレゼントがあります。
これについては明確なサービスではない可能性があり、混雑状況によって提供されない事もありそうなので、内容についてはあえて伏せて、キャンプの際の楽しみとしていただければと思います。
小鳥の森キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 林間キャンプ場 |
キャンプサイト | オートサイト |
予約 | 要予約 |
料金 | 有料 |
休日 | なし |
営業期間 | 通年 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | なし |
かまど | なし |
ハンモック | 可 |
ペット | 不可 |
アクセス
住所 | 山口県山口市徳地伊賀地2526 |
電話番号 | 080-3054-5896(小鳥の森キャンプ場:管理人) |