今回紹介する長野山緑地公園は、利用者を選ぶキャンプ場です。
まず大まかに長野山緑地公園キャンプ場の特徴を紹介します。
- ソロでの利用の場合、770円と安価な利用料金
- チェックイン・チェックアウト時間の細かな決まりは無し
- 繁忙期にも関わらず、利用者は少ない
- イノシシの掘り返し跡が散見される
- 熊注意の立て看板有り
- サイト全体に傾斜があり、水はけも悪い
このように長野山緑地公園キャンプ場はメリットとデメリットが混在しているので、筆者としても声を大にして「オススメです」と言えないキャンプ場です。
というのもこの長野山緑地公園のメインの施設は喫茶店である「天空カフェ」であり、天空という名前を見て分かるように標高1000Mを超える高さから眺める景色もビューポイントの一つです。
残念ながらキャンプサイトから景色は見れませんが、キャンプ場のトイレ付近や、徒歩で行ける展望台からは景色が楽しめるので、自分のニーズとキャンプ場の特徴がマッチしていれば是非利用してみてください。
来場の際は中国道方面から
キャンプ場への道のりは中国道側と国道434号線側からの2種類があり、途中で合流します。
双方ともに道が良くは無いのですが、どちらかというと中国道方面の方が道幅が広く整備もされているので、比較的快適にキャンプ場へ向かう事ができます。
国道434号線の道のりは悪路の連続
434号線側の道のりはとても険しく、車同士のすれ違いが出来ないほどの狭い道が続きます。
問題は狭さだけでなく、多数の落石や小さな崖崩れ跡も見て取れました。
雨が降りしきる中でキャンプ場へ向かいましたが、この悪路を運転するのはかなり辛く、「いつまでこんな悪路が続くのか」「まだ到着しないのか」と、精神をすり減らしながら運転しました。
広大な自然の中にあるキャンプ場
緑地公園という名前の通り、広大な自然の中にテントサイトはあります。
林間キャンプ場には属するものの、キャンプ場の周辺には遊歩道、展望台などもあるため、自然散策やハイキングなど鈍った身体を動かすには、ぴったりな環境と言えます。
長野山は標高1015m。
天候次第では、展望台から瀬戸内海を見渡すことが出来るそうです。
筆者も絶景を期待して悪天候の中、展望台まで登りましたが、霧で何も見えませんでした。
野生の動物に注意
自然豊かなキャンプ場と捉えれば仕方無いことですが、設営可能エリアの内外を問わず、イノシシによる掘り返し跡が多数見受けられました。
更に、熊注意の立て看板も…。
食料を外に出したままで、散策に出かけたり、テント内に入ることのない様、気を付けましょう。
キャンプに不向きとも言えるフリーサイト
紹介の中盤になりますが、この点がこの長野山緑地公園で最も注意するべきポイントです。
長野山緑地公園は芝生のフリーサイトで、テント10張りほどで、いっぱいになるほど小規模なキャンプ場です。
サイトな上に地面も柔らかいので、15cm程度のペグであれば、手だけで押し込む事が出来るほどの地面の柔らかさはメリットと言えます。
芝がとても綺麗なキャンプサイトで、車の乗り入れはできませんが、荷物の搬入に伴う一時的な乗り入れは可能となっています。
芝生のフリーサイトというと初心者から上級者までたくさんの人にオススメする事が多いのですが、サイトは全体的に緩やかな傾斜があり、テントの設営やテーブルを広げる事ができる場所はごく一部です。
逆に野営好きの玄人向けなのかというと、そうでもなく、テントサイト一帯の木は綺麗に開拓されているぶん、野営感も少ないです。
結果的に、「微妙に使いにくいキャンプサイト」「初心者向けでも玄人向けでもない」という中途半端な具合いのキャンプ場となっています。
また、雨の中でキャンプをした事は上でも書きましたが、サイトの水捌けもかなり悪かったです。
雨が止んだ翌日も水溜りが多数残っており、テントやグランドシートは全く乾かず、帰宅後の労力が増えました。
小規模ながら、コテージやバンガローも
長野山緑地公園は、小規模ですがコテージやバンガローも運営しています。
利用はしていませんが、中を見せてもらう事ができたので、簡単に紹介します。
- コテージ1棟(2階建て) 1泊12570円
- トイレ
- 風呂(シャワーのみ)
- 寝具一式
- 調理機器、食器一式
- 暖房器具
- バンガロー 2棟 1泊3300円
- 照明のみ
- ログハウス 1棟 1泊3300円
- 照明のみ
コテージは新しい設備、天空カフェは外観の改築をしているようですが、このキャンプ場の設備は開設してから40年近く経っているそうです。
キャンプサイトやキャンプサイト周辺には利用できないバンガローも多数あり、かなりの年季が現れていました。
設備は古いが清掃状況は悪くない
長野山緑地公園で、使用可能な設備を紹介します。
- 屋外トイレ棟 ※男性側のみ確認
- 小便器3
- 大便器1(汲み取り式・和式)
- 研修棟内トイレ ※男性側のみ確認
- 小便器2
- 大便器1(水洗・和式)
- 別途、多目的トイレ有り
- シャワー棟
- 温水シャワー 300円
- 炊事棟
- 水道 8箇所
- かまど 8箇所
- ガスコンロ 2箇所
注意点として、炊事棟の利用にはキャンプ場とは別料金がかかります(詳細は後述)。
こちらも全体的に年季が入っていますが、清掃状況は悪くはありませんでした。
研修棟内のトイレ利用を推奨
トイレは屋外トイレ棟と研修棟内トイレの2か所にあります。
研修棟内のトイレは新しく水洗なので綺麗でしたが、屋外トイレ棟は水洗ではなく、換気設備もイマイチなのか、匂いがこもっていました。
研修棟内のトイレを利用する時に注意して欲しい点が1つあります。
それは研修棟内のトイレの「男性トイレ・女性トイレ」の表示方法です。
研修棟へ入り、トイレへ行こうとすると「女性トイレと多目的トイレしか無いのか?」というような表示方法がされています。
戸惑いつつ、中を確認すると女性トイレと男性トイレは兼用となっており、トイレ内部で男性・女性の仕切りが辛うじてある造りでした。
初回使用時は誰もが戸惑う表示方法なので、改善してもらえることを願うばかりです。
安価な利用料金と利用時間の長さが唯一の救い
利用者を選ぶ長野山緑地公園ですが、全体的に料金は安価です。
- 1人 220円
- テント1張り 550円
- 炊事棟利用 330円
ソロでの利用の場合、220円+550円=770円となります。
安価で利用出来るのはメリットですが、炊事棟も利用する場合は330円の追加料金が必要です。
キャンプ場の利用料金で炊事棟が別料金なのは珍しく、他の情報サイトでもこの点についての記載はありません。
出来るだけ安く済ませたい方は、水や焚火台、ガスバーナーの準備をお忘れなく。
チェックイン・チェックアウト時間の定義は無し
長野山緑地公園では、チェックイン・チェックアウトの詳細な決まりは設けていないという事でした。
筆者が質問した際、「管理棟に人が居る時に来て帰ってくれたら、それで良いよ」との返答で、良い意味で緩く思わず笑ってしまったほどです。
つまり宿泊利用の際、朝から設営〜翌日の夕方まで滞在というプランを取っても利用料金は変わりません。
他の有料キャンプ場であれば、こんな長時間の滞在は不可能なので、利用料金と合わせて嬉しいポイントです。
キャンプサイトと天空カフェの営業期間の違いに注意
紹介してきた通り長野山緑地公園キャンプ場の利用手続きは、隣接する喫茶店である「天空カフェ」で行います。
キャンプ場とカフェで営業期間が異なるので、注意が必要です。
- 天空カフェ営業期間…4月〜11月
- キャンプ場営業期間…4月〜10月
筆者がこちらのキャンプ場を利用したのは、GWという繁忙期でした。
GWは天候に関わらず、利用者でいっぱいなのが常ですが、筆者以外の利用者はなんと2組のみ。
管理されているスタッフの方にも話を聞きましたが、夏場のハイシーズンでも利用者でいっぱいになることは稀との事で、県内でも屈指の穴場キャンプ場でした。
利用料金が安価・滞在時間が長く取れるというメリットもありますが、紹介してきた通りデメリットも多くあります。
「これぐらいのデメリットなら大した事ないぜ」というキャンパーさんは、隠れ家的なキャンプ場という認識で利用してみてはいかがでしょうか。
長野山緑地公園 キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 林間キャンプ場 |
キャンプサイト | フリーサイト(乗り入れ不可) |
予約 | 必要 |
料金 | 有料 |
休日 | 無し |
営業期間 | 4~10月 |
トイレ | あり |
水道 | あり |
シャワー | なし |
かまど | あり |
ハンモック | 不可 |
ペット | 表記なし |
アクセス
住所 | 山口県周南市鹿野上下渋川 |
電話番号 | 0834683481(長野山緑地公園 天空カフェ) |