「山口県でキャンプをするなら、このキャンプ場を外すことは出来ない」と言っても過言ではないほど、超有名なキャンプ場である「新平ヶ原(しんべがはら)公園」を紹介します。
超有名と記載した通り、県外からの利用者もとても多く、悪い点がほとんど無い無料キャンプ場です。
新平ヶ原公園キャンプ場をざっくりと紹介すると、
- 広大な敷地面積を誇る
- 平原エリア・林間エリアといった選択肢も
- 目の前を流れる島地川は大人も子供も遊べる
- 徹底した設備管理
と書いている筆者自身が「ここって無料キャンプ場だよな?」と思ってしまうほど、何もかもがハイクオリティなキャンプ場です。
ハイクオリティなキャンプ場ですが、注意点やデメリットもあるので、最後までしっかりと読んでいって下さい。
広大な敷地面積を誇り、サイト選びの楽しみも
新平ヶ原公園キャンプ場を紹介する上で、外せないポイントがあります。
それは、県内の無料キャンプ場の中でも1、2を争うほどの敷地面積の広さを誇り、車の乗り入れが可能なフリーサイトだということです。
広さの目安としては「40張り以上のテントに加えて車の横付けも可能」という説明で十分伝わるのではないでしょうか。
敷地面積に圧倒されますが、ポイントは広さだけではありません。
広さに加えて、サイト選びという楽しみまで用意されています。
キャンプサイトは大きく分けて、木に囲まれた林間エリアが3割、開放的な平原エリアが7割に分かれており、自分のレベルや人数によって使い分けが可能です。
ソロ・グループ・家族、どんな人でも楽しめる平原エリア
平原エリアのイメージは、運動場といった感じでしょうか。
邪魔な木や草がほとんど生えておらず、地形も平面なので自分の好きな場所に好きな配置で設営することが出来ます。
綺麗に地面が整備されており、どこで張っても地面に凹凸が無いので、テントを張り慣れていない初心者には特にオススメのエリアです。
面積の広さを活かして、家族、グループでのキャンプにも向いているエリアで、イベントのグルキャンもこのエリアで行われます。
天然のタープやハンモックを楽しめる林間エリア
木々に囲まれた林間エリアは、木の葉を天然のタープとして活用することが可能です。
真夏の暑い時期に、日光という天敵を設営前からシャットアウト出来るので、スペースが空いていれば是非設営をおすすめしたいエリアです。
更に、キャンパー目線で見ると、林間エリアの樹木管理は「秀逸」の一言に集約されます。
ロープワークを駆使してタープを張るのにも絶妙な位置関係で木は伐採されています。
ハンモックの設営もでき、同時に7張りくらいのハンモッカーが集結・設営することが可能です。
木の間隔は正に「ちょうど良い」という言葉がベストマッチで、ハンモックの事を考えて伐採されたように見えるほど。
島地川で子供と一緒に遊ぶ
新平ヶ原公園のテントサイトのすぐ真下に川が流れており、夏場は大勢の家族連れで賑わっています。
流れも緩やかで、お子さんと一緒に川遊びをするのにも最適です。
春には桜の木の下でお花見をしながら
時期が春に限られてしまいますが、テントサイト周辺に生えている木の大半が桜の木です。
春には満開の桜を見ながらキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ただ、有名キャンプ場なので仕方ないことではありますが、お花見キャンプ目的の利用者は特に多いです。
時間に余裕をもって到着し、場所の確保に努めましょう。
トイレや周辺環境は無料とは思えない質の高い管理状況
無料キャンプ場は管理がずさんな所も多い中で、新平ヶ原公園は人の手が徹底的に入っており、常に整備された状態が保たれています。
2015年頃に全面改装された男女別のトイレに加えて、多目的トイレも併設されています。
徹底した管理のおかげで、綺麗な状態が維持されており、どんな方でも快適に利用する事が可能です。
トイレまでの道のりは険しい
管理の徹底ぶりに頭が下がるものの、懸念点もあります。
それは、テントサイトからトイレまでの距離が遠く、階段の昇り降りが必要なことです。
トイレの位置のみキャンプサイトから離れているので、平原エリア・林間エリア共に、段数だけで約60段ほどの昇り降りが発生します。
それに加えて、設営位置によっては移動距離もプラスされるので、トイレに行くだけで、最大で約120mの移動+階段の昇り降り約60段となかなかにハードな運動となってしまいます。
水の利用については一部注意が必要
キャンプ場内に水道がありますが、水質検査はしていないので、公園や川の水を飲用する場合は煮沸が必要です。
また冬は凍結防止のため、トイレ、水道の水が流れません。
トイレが使えないというだけで、キャンプの難易度は跳ね上がりますし、「トイレが使えないなら利用したくない」という人も多くいます。
冬時期に新平ヶ原公園でキャンプをする場合は、排泄物の処理をする道具を準備した上で利用しましょう。
凍結防止の時期については、ページ下のホームページへのリンクから確認をお願いします。
優良キャンプ場だからこその弊害も
- 予約不要
- 有料キャンプ場に匹敵する整備状況
- 昨今のキャンプブーム
この3つが重なる事で、デメリットとなってしまっていることがあります。
それは「せっかく楽しみにして訪れたのに、設営する場所が無い!」といった事態に陥ってしまうことです。
夏休みやGWなどのキャンプハイシーズンと呼ばれる時期には、まさに隙間が無いほどのテントで埋め尽くされます。
キャンプハイシーズンに利用したいと考える方は、諦めて帰る可能性があることを考慮して訪れるか、別のキャンプ場も候補地として検討の上、訪れることを強く推奨します。
特に家族キャンプであれば、急な予定変更はかなりの労力を使います。
利用する区画が明確になっている「有料キャンプ場」も選択肢に入れてみて下さい。
マナーの悪さも県内トップレベル
人気のキャンプ場であるぶん、多くのキャンパーが利用し、その一部にはマナーの悪い利用者もいます。
県内トップレベルの人気キャンプ場ではありますが、ゴミの放置や直火の痕も多く見られ、マナーの悪さも県内トップレベルです。
有志によって清掃のボランティア活動が行われるほどで、大変ありがたいですが、誰もがマナー良く利用していれば不要な活動です。
新平ヶ原公園のキャンプ場のルールは特筆するほど特殊なものはなく、「ゴミは持ち帰り」「夜は静かにする」「直火をしない」など一般的なキャンプ場と同様です。
「あまりキャンプ場のルールを知らない」という人に向けて、このような記事もあるので、参考にどうぞ。
キャンプ場までの道がわかりにくい
最後に1つ、キャンプ場に来る前に気を付けて欲しい事があります。
それは、キャンプ場までの道のりが多く、とにかく分かりにくいことです。
キャンプ場への道は4通りある上、どのルートにも入口の案内表示がありません。
道幅の広いルートを使えば、さほど苦もなくたどり着けますが、道幅の狭い道に入ってしまった場合、その道を何キロメートルも走るハメになります。
この狭い道は対向車が来てしまったら100メートル以上バックしないといけない事もあるので、このキャンプ場へ来る際は道順を間違えない様に注意してください。
筆者が初めてのソロキャンプをしたのは、新平ヶ原公園キャンプ場でした。
当時はキャンプブームの前触れもなく、自分以外の利用者は全く居ない状況で、寂しい想い・不安な想いでなんとか朝を迎えたものです。
人で溢れる超人気キャンプ場となってからは足が遠のいていましたが、この記事を作成するにあたり、久しぶりに利用したところ、昔と何も変わらぬ整備状況の素晴らしさに感動しつつ、楽しく過ごす事が出来ました。
そんな中でもゴミの放置が散見される箇所もあり、心を痛めながらゴミの回収をして帰宅の途につきました。
利用しているだけでは気付きにくい事ですが、山奥の無料キャンプ場でこの快適な状態が保たれているというのは凄い事です。
無料・有料問わずキャンパーの為に、開放してくださっている場所をキャンパー自身で汚し、閉鎖に追い込んでしまうという事が無いように、自分自身も改めて気を付けていきたいものです。
新平ヶ原公園キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 平原キャンプ場 林間キャンプ場 |
キャンプサイト | フリーサイト(乗り入れ可) |
予約 | 不要 |
料金 | 無料 |
休日 | なし |
営業期間 | 通年 |
トイレ | 男女別 身障者用有り |
水道 | あり(要煮沸) |
かまど | 6基 |
ハンモック | 7か所程度 |
アクセス
住所 | 周南市大字巣山 |
電話番号 | 0834-22-8372(山口県周南市 観光交流課) |