粟野川(あわのがわ)河川公園は下関市豊北総合支所地域政策課が管理している完全予約制の無料キャンプ場です。
予約制という事で、利用には手続きが必要となっており、住所、氏名、連絡先など個人情報を記載する必要があります。
個人情報の提示が必要な事もあり、利用者のマナーも良く、またフリーサイトのように「来たは良いけど、テントを張る場所が無い」という事にならない点はメリットのひとつです。
手続きの手順としては地域政策課に電話にて空き状況を確認後、利用届を提出します。
キャンプ場の水道は通常は施錠されており、水道の利用希望者は利用許可証と一緒に水道の鍵も渡されます。
水道を使わない人はメール又はFAXでの手続きをすれば、送られてくる利用許可書でキャンプ場に直行してもOKです。
キャンプ場への道のりは、狭い道もありますが、すれ違いできる場所も多いので、運転免許を取って日が浅い方も安心して訪れて下さい。
そんな田舎道を通り、迎えてくれるキャンプ場は、明らかに田舎には不釣り合いな新しい施設です。
「これが無料キャンプ場!?」と驚く事多数の粟野川河川公園について紹介していきます。
広々としたテントサイトは全面芝生張り
遠目から見ただけで分かりますが、1つ1つのサイトの区画がとても広く、これに加えて全面芝生張りです。
地面も柔らかいので、ペグがとても刺さりやすく、手でもグイグイ刺す事ができるほど。
1区画ごとに約7m×7mは使っても余るほどの大きさです。
ですが、サイト毎の区切りが無いので、使い方によっては隣のキャンパーとトラブルの恐れがあります。
利用する際にお隣のキャンパーさんと挨拶するなど、多少のコミュニケーションを取っておいて損はないでしょう。
全サイトに2台分の駐車スペースを完備
粟野川河川公園は無料キャンプ場ではなかなかお目にかかれないオートサイトとなっており、この珍しさに加えて、全サイトに車2台分の駐車スペースが設備されている充実ぶりです。
一番の有効活用はグループキャンプですが、大きなキャンピングカーでも余裕を持って駐車するスペースがあるのは安心です。
家族で車2台で訪れてデイキャンプを楽しんだ後に、お子さんと奥様は帰って旦那さんのみソロで宿泊するといった使い方をする人もいます。
「ソログルで使うので車2台のスペースでは足りない」という人も安心して下さい。
テントサイトの横にグラウンドがあり、そちらにも広い駐車場もあるので、グループで別々の車で来て現地集合といった利用も可能です。
一部のサイトでは桜の木の下でお花見キャンプが可能
粟野川河川公園のテントサイトには立派な木が5本植樹されています。
その中でも桜の木が3本あり、春になれば桜の木の下でお花見キャンプという楽しみ方も出来ます。
競争率は高いと思いますが、春の時期には是非こちらのテントサイトを狙って予約してみて下さい。
桜の木のあるテントサイトは3、10、17番です。
利用者のマナーの良さと綺麗な管理状況
利用者の方のマナーの良さも要因のひとつではあると思いますが、整備の手もしっかりと入っており、無料キャンプ場の中ではトップクラスの綺麗な環境を維持しています。
実際に自分がこちらのキャンプ場を訪れた時にも、とても綺麗なキャンプ場でゴミなどは全く見られませんでした。
またペグダウンに手頃な石が落ちているキャンプ場も多いですが、粟野川河川公園は「芝生内に石を放置しない」というルールが決まっており、この点もきちんと守られていました。
ゴミの処理は自分で
全体を通すとキャンパーのマナーの良いキャンプ場なのですが、一つだけ気になったのが灰の処理についてです。
粟野川河川公園では、ゴミは全て持ち帰るように決まっています。
ですが灰捨て場ではない場所に、灰が大量に捨てられており、原型を留めていませんでした。
古さを感じる炊事棟とトイレ
粟野川河川公園は綺麗なキャンプ場ではあるものの、残念ながら炊事棟とトイレの経年劣化は目に余るものがありました。
経年劣化なので仕方がないのですが、綺麗なキャンプサイトがある中で、炊事棟・トイレだけが古く逆に目立っていたので、マイナスポイントとして挙げました。
男子トイレのみの確認になりますが、小便器2つ、大便器1つのみとなっており、近年のキャンプブームの加速と人気の高いキャンプ場にしては絶対数が少ないのでは?という事も懸念点です。
古いなりに多目的トイレはあり、必要最低限以上の施設は有しています。
焚き火に適した薪の入手は困難
河川敷のキャンプ場なので、「その辺に落ちてるであろう枝や流木を燃やそう」と言う前提で、こちらのキャンプ場を訪れる方も居るかと思います。
このキャンプ場の利点でもあるのですが、管理が行き届いているので、焚き火に適した枝や薪は見渡す限りありませんでした。
冬の寒い時期に薪ストーブを使おうという方は特にですが、薪は事前に購入・準備をして訪れる事をおすすめします。
また当然ですが、芝生サイトで直火は厳禁です。
背の低い焚火台でも、芝生を焼いてしまう恐れがあるので、スパッタシート(防炎シート)の上で焚火をする等、環境への配慮も怠らない様にしましょう。
鹿の糞がサイト内にもちらほら
粟野川河川公園の周辺は鹿の生息地域でもあります。
昼間にも見かけることがありますが、テントサイトの方まで近寄って来る事はありません。
ですが、夜の静かな時間帯になるとテントサイトや併設されたグラウンドまで、鹿が食糧を探して降りて来ます。
食糧や生ゴミなどは、きちんとテント内や車内に片付ける様にしましょう。
また、補足としてお伝えしますが、グラウンドをメインにテントサイトにも鹿の糞が落ちています。
夏場は川遊び、冬場はグラウンドで子供と触れ合う
キャンプ場の目の前を流れる粟野川は、夏場には子供達の絶好の遊び場になります。
水深は約30〜50cmほどで、流れも緩やかなので安心してお子さんを遊ばせる事ができます。
ですが、深いところでは80〜100cmほどの水深の箇所も見て取れました。
雨上がりや上流ダムからの放流など、想定以上の水位になっている事もあるので、気を付けて遊んで下さい。
また、冬場はキャンプ場横に併設されたグラウンドがあるので、そちらを利用するのがおすすめです。
初心者はもちろん。上級者も利用したくなる快適さ
キャンプに慣れた人にとって、快適な環境では満足できないという人もいます。
この粟野川河川公園も上級者はあまり楽しめないのかと思いましたが、広々としたサイトに自由にギアを広げているキャンパーの姿も見られ、羽根を伸ばしているという言葉に相応しい楽しみ方をしていました。
もちろん広々としたサイトはキャンプに慣れていない初心者も、スペースが確保されているので、トラブルで他人に迷惑をかける事もなく安心です。
是非初心者から上級者まで、利用してみてください。
キャンプ場を訪れた際、炊事棟とトイレ以外はとても綺麗に整備されているので、最近出来たばかりの新しいキャンプ場なのかな?と思うほどでした。
地元の方とお話をするタイミングがあったのですが、キャンプ場としては20年以上もの間、河川敷のキャンプ場として地元の方に愛されている場所だと知りました。
詳しく話を聞けば、粟野川が水害で氾濫しやすく、テントサイトは何度も水没し、サイトから一段高い炊事棟とトイレは水害の影響を受けずに残ってきたそうです。
そして水害の度にテントサイトを整備するのでテントサイトだけが綺麗になっているという事でした。
キャンプブームもあり、予約制という事を知らずに訪れてトラブルになる等、問題も聞きます。
当然の事ですが、無料キャンプ場でもそれぞれルールがあります。
ルールを守り、マナーよく利用して利用者全員が気持ちよく過ごせる環境を作りましょう。
粟野川河川公園キャンプ場データ
キャンプ場タイプ | 平原キャンプ場 |
キャンプサイト | オートサイト |
予約 | 要予約 |
料金 | 無料 |
休日 | なし |
営業期間 | 通年 |
トイレ | 男女別 身障者用あり |
水道 | あり(鍵付き) |
シャワー | なし |
かまど | あり |
ハンモック | 不可 |
ペット | 表記なし |
アクセス
住所 | 山口県下関市豊北町大字粟野2490 |
電話番号 | 083-782-0062(豊北総合支所地域政策課 担当事務) |